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エルー パート2

ロスは今朝の5時半ですが、焦燥感で眠れる気配がしないので日記を書きます。別にミーハーというわけではないのですが、この夜はあまりに現実離れしていたという事と色々と沈思黙考することがあったので、書きます。

写真の方はゴーストドッグやパニックルームでお馴染みのアカデミー賞俳優のフォレスト・ウィトカーさんです。アメリカのドラマ「ロスト」の俳優ジョッシュ・ハローウェーさん、硫黄島からの手紙などに出演しロスで活動している英二郎さんや、他にも日本ではあまり知られてない業界の有名人の方がいてなんだか緊張しました。

そして去年夏に通訳として参加した「インセプション」でお会いしたレオナルド・デカプリオさんも来ていたわけです。(さんづけすると妙におかしいのですが)もちろん僕なんかは知人というレベルではないのですが、挨拶したら成田に迎えに行った事を覚えていれくれて握手の手を差し伸べてくれた時にはちびりそうでした。アメリカにいると毎日人と握手してますが、握手も千差万別で人柄がでるわけです。彼はすごい柔らかい握手をするなあというのがチビリそうになりながら思った事でした。その後インセプションの撮影について少し語って彼は席に戻っていきました。

(別に踊れもしないのにアホ丸出しで踊っている写真)

その夜の帰り道には色々と考えさせられました。有名人は普通の人の約1000倍の人と出会うそうです。彼らぐらいの有名人になるともっとたくさんの人と会う機会があると思います。実際スピルバーグを見た事がある、仕事をした事があるという人は世界中にゴロゴロいますが、それは彼らの仕事が規模的にとてつもなく大きなものだからです。いくら運良く三次元的な距離が近くなったとしても、僕と彼らとの映画界での距離は冥王星くらいまでの距離があるということに嫌でも気づかされた夜でした。

たとえ話をすると、日本にいるときに僕はバスケ部いました。(しかもゴール下すら入らないヘタクソ。)それでもNBAに憧れ、マイケルジョーダンやコービーブライアントがダンクしてるのを深夜テレビで見ていました。それがアメリカに来て実際にレーカーズの試合のチケットを買えて生で見れるようにはなったけど、同じコートで戦うどころかベンチにも入っていない状況で、僕がバスケがうまくなったわけでは全くないわけです。アメリカに来て彼らと一緒の空気を吸ったからいい映画を作れる、と勘違いしてはいけないという事を再確認できた気がします。特に最近キャスト、クルー、タイミングそしてサポートしてくれる友人に恵まれて運良く賞をいただいた機会が何度かありましたが、それはあくまでリトルリーグの話でこれから二軍でも三軍でも同じリーグに入るまでには今まで以上に磨いていかなければいけないと実感しました。

自分を卑下するつもりもないし過大評価はなおさらするつもりはありませんが、それでもいい方向で少しずつ前に向かって進んでいる手応えはあります。正しい方向に進んでさえいればどんなに遠く離れていてもいつかは辿り着ける気がしてならない夜でした。というわけで、闘志は太陽のごとく煮えたぎっているわけですが、焦燥感で身を焦がす前に寝ます。おやすみなさいまし。

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